\chapter{準備}

\section{準備}
木で表現された流れを関数で表現するために複素速度ポテンシャルを使用し流れの定義を行う．本章では流れ関数と速度ポテンシャルを足した複素数ポテンシャルがどのようなものか解説を行う．また，複素速度ポテンシャルで定義した関数を可視化する方法として，描画ソフトMATLABを利用する．

\section{流れ関数}
流れ関数とは，ある流線を基準とし，他の流線の流量を尺度（スケール）とする関数である．図\ref{fig:1}のような2次元多重連結領域上の非圧縮流について考える．2つの基準となる流線をs1，s2とし，この2つの流線の間をe～e’やf～ f’のような任意の断面積を通過する流量は常に等しくなる．

\begin{figure}[h]
 \centering
 \includegraphics[height=1.8cm]{flow.png}
 \caption{流れの場の全体図}
\label{fig:1}
\end{figure}

このことを利用して流れ関数を定義することが可能である．図3.1(a)の流れ場
の拡大図を(b)に示す．任意の流線を表す流れ関数を$\psi$とし，この流線上の点A
から垂直に$\Delta k$移動させた点Bを通る流線を表す流れ関数を$\psi
+\Delta\psi$とする．図に示すように，線分$\Delta k$と速度Vの方向は直角となり，流れ関数の定義より

\begin{equation}
\psi = \psi(x，y)
\end{equation}

次に図(b)に示すようにVをu,vに、$\Delta k$を$-\Delta x$，$\Delta y$に分解する．分解した値を(3.1)に代入して考えると

\begin{equation}
\Delta\psi ＝ V\Delta k ＝ u\delta y＋v(-\delta x) ＝ u\Delta y -
 v\Delta x 
\end{equation}

となり，これの極限をとると
\begin{equation}
d\psi = udy - vdx
\end{equation}

となる．この流れ関数$\psi$は，二次元座標平面上の流線を表すので座標(x,y)の
関数として次のように表すことが可能である．
\begin{equation}
\psi = \psi(x,y)
\end{equation}

となる．これを全微分すると

\begin{equation}
d\psi = (\delta\psi / \delta x)dx + (\delta\psi / \delta y)dy 
\end{equation}

式(3.3)と(3.5)よりdxとdyの係数は等しくなる．よって

\begin{equation}
u=\delta\psi / \delta y, v=-\delta\psi / \delta x 
\end{equation}

となる．


\section{速度ポテンシャル}
速度ポテンシャルとは，流体力学において渦無し流れの解析する場合に用いられ
る．渦無し流れとは流れのいたるところで渦度がゼロである流れのことであり流
れの中に渦の存在を調べる際に使用する概念を循環という．循環は,流れ場の閉曲
線に沿う速度の線積分である．速度成分をu，vとして,循環を次に定義する
\begin{equation}
L＝\int(udx + udy)
\end{equation}
渦無し流れ場では，任意の閉曲線の循環はどこをとってもゼロとなる．流れ場中にある二点A1,Pを通る閉曲線をA1,A2,S,A3,A1を図3.2に示す。流れ場が渦無し流れの場合，循環がゼロになるため次の式が成り立つ．
\begin{equation}
L＝\int_{A1A2PA3A1}(udx + udy)=\int_{A1A2P}(udx + udy)+\int_{PA3A1}(udx + udy)＝0
\end{equation}
つまり
\begin{equation}
\int_{A1A2P}(udx + udy)=-\int_{PA3A1}(udx + udy)＝\int_{A1A3P}(udx + udy)
\end{equation}
である．
\begin{equation}
∫V・ds＝\int(udx10）
\end{equation}
この関数を速度ポテンシャル（velocity potential）とす.次,、点P(x,y)から
$\Delta x$だけx軸の正方向に移動させた点T$(x+\Delta x,y)$，$\Delta y$だけy軸の
正方向に移動させた点U$(x,y+\Delta y)$を用意する。点Sにおいてx方向の速度成分
を u,y方向の速度成分をvとし,$\Delta x$，$\Delta y$は十分小さい場合，ST間の速度ポテンシャルは$u\Delta x$となり，SU間の速度ポテンシャルは$v\Delta y$となる.よって
ST間の速度ポテンシャル$\phi$の増加量は
\begin{equation}
\Delta\phi＝u\Delta x
\end{equation}
となり，SU間の速度ポテンシャルの増加量は
\begin{equation}
\Delta\phi＝v\Delta y
\end{equation}

となる．よって二つの式（3.11）（3.12）の$\Delta x$と$\Delta y$を0に収束させると

\begin{equation}
u=\delta \phi / \delta x, v=\delta \phi / \delta y
\end{equation}
を得る．


\section{複素速度ポテンシャル}
ここでは，2次元渦無し流れ（ポテンシャル流れ）を，複素速度ポテンシャルで作図する．渦無し流れとは，流れ場のどこをとっても渦度がゼロである流れのことで，2次元渦無し流れには速度ポテンシャルと流れ関数が存在する．これらの間には3.1.1節の(3.6)と3.1.2節より次の関係式が成り立つ．
\begin{equation}
\partial\phi / \partial x = \partial\psi / \partial y ,  \partial\phi /
 \partial y = - \partial\psi / \partial x 
\end{equation}
複素座標z=x+i*yで定義された関数で、実数部分が速度ポテンシャル
$\phi$(x,y)で複素数部分が流れ関数$\psi$(x,y)となるような複素数関数を
\begin{equation}
f(z) = \phi + i * \psi z = x + i * y
\end{equation}
とする．これを複素速度ポテンシャルと呼ぶ．また，複素速度ポテンシャルfに
対してzに関する微分を行うと
\begin{equation}
df / dz = - u + i*v
\end{equation}
となり，実数部分がx方向の流速成分-u，虚数部分がy方向の流速成分vとなる．


\section{MATLABの使用}
MATLABとは，関数やデータの可視化が可能な数値解析ソフトウェア，またはその中で使うプログラム言語の総称である．今回は，このMATLABに複素速度ポテンシャル関数を打ち込み描画させ，作った関数が正しく流れを表現できているかを確認する．
