\chapter{関連研究}
\label{sec:construction}
\section{語表現の研究}
\label{sec:語表現の研究}
本研究で扱う木表現は，語表現の研究を発展させたものである．語表現の研究では，流線の位相的な構造を分類し，それぞれの流線構造を系統的に文字列で表現するアルゴリズムを与えた\cite{WOTFV}．以下では，語表現とは\cite{WOTFV}によって与えられた表現方法を指す．語表現を用いた例として，翼の揚抗比の時間変化を語表現によって表した研究がある\cite{二次元多重連結領域内における構造安定な非圧縮流れの文字列表現アルゴリズム}．語表現は，有界な多重連結領域上で非圧縮かつ非粘性で構造安定な流れを代数的に表すことができる．多重連結領域とは複数の障害物が含まれている領域のことである．ここでは非圧縮・非粘性という理想流体を仮定しているが，この仮定は現実の流体に対しての直接の適用に制限を与える．しかし，現実への応用に関しては文献\cite{二次元多重連結領域内における構造安定な非圧縮流れの文字列表現アルゴリズム}でその適用方法が考えられている．流線構造を文字列で表現することで，流線構造を数学的に厳密に分類できるようになり流れの変動を特徴付けて捉えることができるようになる．また，代数的に扱うことができるため，流線の構造の特徴を説明するための共通言語として用いることもできる．文献\cite{WOTFV}によって与えられた語表現には同じ流線に複数の語表現を与えることができるという問題があった．そのため，文献\cite{ハミルトン曲面流に対応する語の列挙アルゴリズム}によって自然な語表現を与えるアルゴリズムが与えられた．また，文献\cite{ハミルトン曲面流に対応する流れの向きを考慮した極大語の列挙アルゴリズム}によって流れの向きを考慮した場合の語表現を与えるアルゴリズムが与えられた．
\section{木表現の研究}
\label{sec:木表現の研究}
木表現もその前提条件は語表現と共通であり，有界な多重連結領域上で非圧縮性かつ非粘性で構造安定である．木表現はその特性から，語表現より細かい流れの分類を可能とする．そのため流れの特徴を語表現より，多く捉えることを期待されている．実際，円盤状の非圧縮流の反転の解析を木表現によって行った研究では，語表現と比べた木表現の表現力の高さが確かめられた\cite{多重連結領域上の安定非圧縮流の解析}．
\section{その他の離散解析手法}
\label{sec:その他の離散解析手法}
語表現および木表現と関連のある離散解析手法として，コンレイ・モース分解，グラフクラスタリングがある\cite{トポロジカルな流れ構造の理解へ向けて}．これらの手法は，流体に対してそれぞれ異なるアプローチを持つが，流体をその構造安定性に着目して解析するという点では一致している．

\section{図を描画する手法}
\label{sec:図を描画する手法}
グラフ描画アルゴリズムは，コンピュータによって作成されるグラフの視覚性を向上するための技術である．一般的なグラフ描画アルゴリズムは，あるグラフを形成する点と線それぞれに対し力学的な力を計算することで二次元上での位置関係を見やすいものに変更する．この技術は多くの場合グラフのレイアウトを整える際に使用されるが，それ以外にも文献\cite{デフォルメマップ生成のための道路変形モデルとそのシステム評価}のように，見た目を整えたい図をグラフとしてモデル化しグラフ描画アルゴリズムを適用することができる．
